非営利組織理事会の運営―その向上を求めて
堀田和宏[著]

主要目次

はじめに

序章 改めて期待される理事会
Ⅰ.瀬戸際に立つ非営利組織
1.政治的危機
2.経済的危機
3.社会的危機
Ⅱ.問題を抱える理事会
1.旧態依然の理事会のあり様
2.理事会に潜む大きな問題
3.独立性喪失の危険
Ⅲ.期待に応えるべき理事会
1.時代の転換と理事会の職能と役割
2.理事会に新たに掛かる大きな負荷
3.理事会に任せられる舵取りの到来
Ⅳ.新たな研究の必要とその課題

第Ⅰ部 理事会の職能と役割に関する基礎理論
1 理事会の職能と役割に関する基礎理論
はじめに
Ⅰ.エージェンシー理論―コンプライアンスモデル
1.視点と所説
2.理事会の職能と役割
Ⅱ.スチュアートシップ理論―トラスティシップモデル
1.視点と所説
2.理事会の職能と役割
Ⅲ.利害関係者理論―ステークホルダーモデル
1.視点と所説
2.理事会の職能と役割
Ⅳ.資源依存理論―コオプテーションモデル
1.視点と所説
2.理事会の職能と役割
Ⅴ.制度理論―インスティチューションモデル
1.視点と所説
2.理事会の職能と役割
Ⅵ.経営者支配理論―ラバースタンプモデル
1.視点と所説
2.理事会の職能と役割
おわりに
2 理事会の職能と役割に関する規範論
はじめに
Ⅰ.基礎理論に基づく理事会の職能と役割
Ⅱ.理事会の法的・倫理的受託責任
1.法的な受託責任
2.倫理的な受託責任
Ⅲ. 理事会連合団体が提唱する
理事会のベストプラクティス
1.NCNBの理事会の基本的責任
2.NCVOの理事会の基本的責任
Ⅳ.指導書・実務書が唱える理事会職能
Ⅴ.研究者が提示する理事会職能
Ⅵ.規範的・処方的な理事会職能論の意義と問題点
おわりに
3 理事会の職能と役割に関する記述論
はじめに
Ⅰ.部分的な研究による理事会職能論
1.理事会ガバナンス不在論
2.理事会職能限定論
3.特定分野の調査研究による理事会職能論
4.調査・実証研究による理事会職能の総括
Ⅱ.いくつかの理事会類型論
1.職能内容による3つの理事会パターン
2.規模・分野別による4つの理事会パターン
3.パワーを基準にした5つのガバナンスパターン
4.パワーその他の要素を基準にした4つの理事会パターン
5.ライフサイクルによる4つの理事会パターン
Ⅲ.理事会職能の情況適合論
1.外部情況
2.内部情況
3.不確実性のある情況
4.理事および理事会の特性
おわりに
4 理事会の職能と役割の期待と現実の乖離
はじめに
Ⅰ.理事の特性
1.理事の姿勢と行動
2.役割の曖昧性
3.役割のコンフリクト
4.役割の過重
Ⅱ.理事会の特性
1.不透明な理事会目的
2.集団意思決定の弊害
Ⅲ.理事会職能に関する違った認識と期待
1.ステークホルダーが求める多様な理事会職能
2.経営者が求める別の理事会職能
3.理事会職能に関する理事と経営者の認識と期待の齟齬
Ⅳ.その他の背景と要因
1.理事会と組織への外部圧力
2.多様なミスマッチ現象
おわりに

第Ⅱ部 理事会の職能と役割の統合化への試み
1 理事会の職能と役割の統合論
はじめに
Ⅰ.エージェンシー理論の非営利組織への適用可能性
1.エージェンシー理論の問題点
2.エージェンシー理論の非営利組織への適用の可能性とその限界
Ⅱ. 理事会の職能と役割に関する諸理論を統合する試み
1.エージェンシー理論とスチュアートシップ理論の統合論
2.その他の統合論
Ⅲ.パラドックスの視点によるメタ理論の構築
1.パラドックス視点
2.法制度に内在するパラドックス
3.統制と協同のパラドックス視点による統合論
4.統制と指導のパラドックス視点による統合論
5. 監視と経営、支配と実践、統制と支援の間のパラドックス視点
おわりに
2 情況適合理論を援用する理事会行動の統合理論
はじめに
Ⅰ. 情況特性と理事会行動の関係を実証研究で示すフレームワーク
1.実証研究A
2.実証研究B
3.実証研究C
4.実証研究D
Ⅱ. 情況特性と理事会行動の関係を理論で示すフレームワーク
1.理事会役割に関する3つの理論を基礎にしたフレームワーク
2.理事会属性と理事会行動と組織有効性の相関を示すフレームワーク
3.理事会役割を情況適合で分類するフレームワーク
Ⅲ.情況理論適用の有効性
おわりに
3 理事会の職能と役割の絞込み
はじめに
Ⅰ.理事会職能の戦略的決定の必要性
Ⅱ.理事会の職能と役割の政策領域への限定
1.理事会が関わる政策段階とその限定
2.理事会が関わる政策展開とその限定
3.政策周辺に集中する理事会の職能と役割
Ⅲ.政策策定としての「戦略の策定」
1.理事会の戦略役割が不透明な背景と理由
2.取り組むべき基本的な課題
3.理事会の十分な戦略役割に必要な処置
4.戦略策定に関する研究結果
5.理事会の戦略役割に関する新しい研究動向
6.情況によって変化する理事会の戦略役割
7.重要な戦略の策定
Ⅳ. 組織の活動と成果に対する
理事会の評価・統制の職能と役割
Ⅴ.対境管理に対する理事会の境界連結の職能と役割
おわりに

第Ⅲ部 理事会有効性を高める基礎構造
1 理事会有効性をめぐる基本的理解
はじめに
Ⅰ.様々な視点による理事会有効性の捉え方
1.理事会有効性の規範的な基準
2.アンケート結果による主観的期待
3.研究者による理事会有効性論
Ⅱ.理事会有効性を高める基本的方法
1.理事会能力の評価
2.高い集団活動能力の構築
3.最高経営者への理事会有効性向上の役割付与
4.理事会による理事会有効性の戦略的選択
5.理事会有効性を高める場合の問題点
Ⅲ.理事会と組織有効性の関係
1.理事会有効性と組織有効性の関係に関する研究
2.理事会の属性と組織有効性の関係
3.理事会と経営者の関係と組織有効性
4.理事会の担当職能(財務管理・対境管理)と組織有効性
5.理事会の管理活動(戦略・統制)と組織有効性
おわりに
2 理事会の規模
はじめに
Ⅰ.相対的に規模が大きな理由とその利点
1.多様な理事会職能を必要とする
2.多様なステークホルダーが関与する必要がある
3.専門家が支援する必要がある
4.ボランティアの動機を満たす必要がある
Ⅱ.規模の大きな理事会の問題点
1.騒がしい理事会
2.不活発な理事会
Ⅲ.理事会の最適規模
おわりに
3 理事会構造と理事会手続き
はじめに
Ⅰ.理事会の管理階層
1.理事会
2.執行役員会
3.常任理事会
4.理事長
Ⅱ.理事会職能の特殊化
1.委員会の職能と役割
2.設置する委員会の種類
3.効果的な委員会制度のための基準と施策
4.委員会制度の困難な問題点
5.委員会制度の再構築―効果を上げる委員会制度の工夫―
Ⅲ.諮問機関
1.諮問機関を設ける目的
2.諮問機関の役割と効用
3.諮問機関の職権の限定
4.諮問機関の問題点
Ⅳ. 理事会会議―理事会の舞台装置の設計と舞台進行の手続き―
1.会議が上手く機能しない兆候とその要因
2.有効な会議の基本的な原則
3.有効な会議進行のための処方箋
おわりに
4 理事会構成
はじめに
Ⅰ.理事会構成の多様性が求められる背景
1.非営利組織の存在理由から当然に求められる多様性
2.民主制の下における非営利セクターの責務
3.パブリック・アカウンタビリティを担保する理事会の多様性
Ⅱ.組織の正当性と理事会の多様性
1.組織の正当性
2.理事会の多様性
3.多様性に関する相反する実証結果
Ⅲ.多様な理事会構成の利点と不利点
1.多様性の利点
2.多様性の不利点と問題点
Ⅳ.多様なステークホルダーの理事会参加
1.外部者・内部者の理事会参加…
2.資金提供者の理事会参加
3.ボランティアの理事会参加
4.政府代理の理事会参加
5.受益者の理事会参加
6.経営者等の理事会参加
7.その他のステークホルダーの理事会参加
おわりに

第Ⅳ部 理事会有効性を高める理事会・理事の啓発
1 理事の選考・選任
はじめに
Ⅰ.非営利組織を取り巻く多様なステークホルダー
1.ステークホルダーの概念
2.非営利組織に関与するステークホルダーの特性
3.ステークホルダーの分類
Ⅱ.理事の選任基準の確定
1.理事選任の基本的戦略
2.多様な構成を認める基準
3.望ましい理事像の確定
4.非営利組織に必須の理事の特性
5.組織運営に必須の理事の能力
Ⅲ.理事の選任方法と在任制度
1.理事の選任方法
2.理事の任期と再任の制度
おわりに
2 理事会・理事の教育
はじめに
Ⅰ.理事会・理事教育の困難性
1.理事の抵抗
2.指導者の逡巡
3.評価制度の先行
4.有効性の不確実性
Ⅱ.理事会・理事の教育の必要性
1.組織のスキャンダルや理事の怠慢の防止
2.理事の境界連結職能の強化
3.市場化要求への対応
Ⅲ.理事会・理事教育の目的と内容
1.組織経営と理事会の理解
2.理事に期待する役割と責任の確認
3.理事に期待する態度と行動の確認
Ⅳ.理事会・理事教育の制度と方法
1.献身的な理事会・理事教育委員会を設ける
2.理事会・理事教育プログラムを編成する
3.よい会議の設計と運営をする
4.公式のオリエンテーションの充実を図る
5.自発的な研修会を催す
6.交流会を開く
おわりに…
3 理事会・理事の評価
はじめに
Ⅰ.理事会・理事評価の必要性
1.嫌がられる評価
2.評価の必要性と効用
3.評価能力の向上
Ⅱ.理事会の評価
1.評価の対象
2.評価の用具
3.使い方の留意点
Ⅲ.理事の評価
1.理事評価の重要性
2.評価の対象
3.評価項目と評価チェックリスト
Ⅳ.理事会・理事の自己評価の意義と問題点
1.自己評価の意義と目的
2.自己評価の制約と限界
3.懸念される強制される評価制度
4.自己評価の作成と利用に際する留意点
おわりに

第Ⅴ部 組織有効性を高める理事会リーダーシップ
1 理事会と経営者の関係
はじめに
Ⅰ.理事会と経営者の関係論
1.これまでの理事会と経営者の関係論
2.新しいパートナーシップ論
Ⅱ. 理事会と経営者の不均等な関係
1.理事会と経営者の職務上の違い
2.理事会と経営者の性格上の違い
3.情況によって変化する理事会と経営者の関係
Ⅲ.理事会と経営者の関係の問題点
1.営利組織とは異なるガバナンス構造とガバナンス構成
2.政府依存に伴う理事会軽視と専門経営者の重用
3.企業モデル化への圧力
おわりに
2 理事会と経営者のよい関係の構築
はじめに
Ⅰ.経営者を中心としたよい関係の構築
1.経営者が理事会リーダーシップ役割を担うよい関係を構築
2.経営者のリーダーシップでよい関係を構築
3.経営者に一任してよい関係を構築
Ⅱ.理事会が関与するよい関係の構築
1.理事会が主導して公益性を担保する必要
2.理事会自らが決めるべき役割と責任
3.よい関係の構築に努める理事会
Ⅲ.理事会と経営者の関係をよくするガイドライン
1.合意による役割と責任の分担
2.対話による誠実な関係の構築
3.役割と責任の共有と協同
おわりに
3 理事長と最高経営者の関係
はじめに
Ⅰ.理事長と最高経営者の関係論の必要性
1.理事長と最高経営者の関係の重要性
2.理事長と最高経営者に関する研究と議論の必要性
Ⅱ.理事長と最高経営者の職能と役割
1.理事長
2.最高経営者
Ⅲ.理事長と最高経営者の関係パターン
1.理事長支配型
2.最高経営者リーダーシップ型
3.理事長と最高経営者の共同支配型
Ⅳ.理事長と最高経営者の関係の問題点
1.理事長と最高経営者の関係に潜む不確実性
2.理事長と最高経営者の間の消えないテンション
おわりに
4 非営利組織の指導者リーダーシップ
はじめに…
Ⅰ.非営利組織のリーダーシップ役割
1.非営利組織のリーダーシップ役割の特異性と重要性
2.非営利組織に固有なリーダーシップ
(1)非営利組織のリーダーシップは二元性が原則である
(2) 非営利組織に必要なリーダーシップ・スタイルがある
3.リーダーシップ・スタイルは変化する
Ⅱ.最高の共有リーダーシップの確立
1.いくつかの共有リーダーシップ・スタイル
2.最高の共有リーダーシップ・スタイル確立の必要条件
Ⅲ. 理事会有効性向上のための指導者の選任基準と選任条件
1.指導者の明確な選考・選任の基準と手続き
2.指導者の交代
3.経営専門家の非営利組織リーダーシップへの参加
4.指導者に必要な資質と能力
おわりに

終章 新しいガバナンスと残された研究課題
Ⅰ.理事会ガバナンスの変化と拡張
1.理事会ガバナンスの変化の背景
2.理事会ガバナンスの株式会社化の要求
3.理事会ガバナンスの変化と拡張の必要
Ⅱ. 理事会ガバナンスモデルの新展開―新たなガバナンスモデル
1.ガバナンス概念の拡大―ガバナンス機能の拡散
2.新しいガバナンスモデル
Ⅲ.理事会ガバナンス問題の焦点―今後の研究課題
Ⅳ.理事会をめぐる研究状況と今後の研究方向
1.伝統的な研究領域とその展開
2.理事会をめぐる今後の研究課題
3.理事会行動に関する新しい研究動向