【NEWS】日本年金機構、コロナで厚生年金保険料等を猶予

 3月6日、日本年金機構は今般の新型感染症の影響により、法人の経営状況等に影響があることを考慮し、一時的に厚生年金保険料等を納付することが困難な場合については、事業主からの申し出に基づき、「換価の猶予」が認められる旨を公表した。
 厚生年金保険料等を滞納した場合、未払いのままでいると財産が差押えの対象となり、換価処分となるが、一定の要件に該当し、換価の猶予が認められると厚生年金保険料等を分割納付できる。「換価の猶予」の申請は、納付すべき厚生年金保険料等の納期限から6か月以内。詳細は日本年金機構のHP(https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/jigyonushi/sonota/kankayuyo.html)を参照されたい。なお、厚生年金保険料等の「納付の猶予」についてもHP上で紹介している。
 以下、社会保険労務士の小島信一氏のコメントを紹介する(編集部)。

有識者はこう見る!

猶予を希望の場合は事前に申請を

特定社会保険労務士 小島信一
特定社会保険労務士。小島経営労務事務所代表。趣味は旅行と魚釣り。

 新型コロナウイルスが世界中で猛威をふるっており、連日ニュースで死者や新たな感染者が報じられている。そのため、経済活動が委縮し、法人運営においても集会、会議、セミナー、大会等を控えざるを得ず、運営が厳しくなっている。今回の脅威は思ったより長引きそうだ。
 さて、税の世界では納税につき「事業の継続が困難」になっており、「納税に対して誠意ある意思」を示し、一定条件に該当する場合「換価の猶予(かんかのゆうよ)」という制度がある。そして、厚生年金保険料、健康保険料にもこの「換価の猶予(以下単に「猶予」という」が準用されている。あくまで、一時的な猶予であるため、後日支払(納付)はしなければならない。猶予期間は、最長2年となっている。本制度は以前からあったものだが、今般のコロナウイルスの影響により事業存続が危機的な法人に対して適用の可能性がある。近年、税の負担よりも保険料の負担(特に厚生年金)の方が重い、という話もよく聞く。猶予の要件はいくつがあるが、今回のコロナ騒動では①事業を休業している、②事業につき著しい損失(収益が申請前1年間において、その前年の収益額の2分の1を超える損失が出たこと)が生じた場合、のどちらかが該当しそうだ。何もしないまま厚生年金保険料等を滞納すると、延滞金がつき滞納処分されてしまうため、休業等が長引きそうな法人は「猶予」の申請を検討する価値はある。
 なお、本制度を利用する場合、申請が必要だ。検討する場合、「申請の手引き」というマニュアル書があるのでその手引きに沿って申請をすればよい。猶予保険料が100万円を超えるか否かにより添付書類が異なるため留意しよう。


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