【解説】日本尊厳死協会の公益不認定に対する高裁判決〜内閣府の裁量権逸脱〜

三木秀夫
(みき・ひでお 弁護士・日本弁護士連合会常務理事)
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はじめに

 一般財団法人「日本尊厳死協会」が、国(内閣府)に公益認定申請をするも不認定とされたことに対して、その不認定の取消しと認定処分をするよう求めた不認定処分取消訴訟で、1 審の東京地方裁判所(以下「東京地裁」という。)は国の不認定処分を取り消した(注1 )。これを不服とした国が控訴をしたところ、東京高等裁判所(以下「東京高裁」という。)は令和元年10月30日、処分の取消しを命じた東京地裁判決を支持し、国の控訴を棄却した。一方、協会側が積極的に公益認定を判決で行うよう求めた「義務付け請求」は、東京地裁と同様に東京高裁でも棄却された。
 この控訴審では、行政庁の裁量を狭く解した東京地裁判決に対して、行政庁に広範な裁量権を認めるべきとする国の主
                           

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