【景気のゆくえ】新型コロナショックが雇用に及ぼした影響

林田元就
(電力中央研究所上席研究員)

 雇用動向は、経済活動や景気動向の反映であると同時に、民間消費などの家計需要に対して強い影響を及ぼす。また、こうした家計需要の変化が企業活動にも影響することをあわせて考えると、雇用動向は経済全体の動きを左右するもっとも重要な項目の1つと言える。戦後2番目の長さとなった「アベノミクス景気(第16循環の景気拡張局面、2012年12月~18年10月)」では、女性や高齢者の労働参加が進むとともに、就業者数が増加傾向で推移するなど、雇用動向は良好に推移した。しかし、新型コロナウィルスの感染拡大により、その状況は一変している。
 コロナ禍の雇用情勢を「労働力調査(総務省)」により確認しよう。大きな影響が表れたのは、緊急事態宣言が発出され、外出自粛や休業要請による経済活動の制限が強化された20年4月
                           

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