コロナショックの中で堅調な回復を示す輸出

林田元就
(電力中央研究所上席研究員)

 日本経済は全体として回復傾向で推移しているが、回復のペースは緩慢であり、水準は新型コロナウイルスの感染拡大前に戻っていない。感染再拡大への対応により飲食・宿泊などのサービス業とその関連業種を中心に経済活動が制約されていることが背景にある。
 こうした中、堅調な回復をみせているのが輸出である。その動向をみると、ウイルス感染の拡大を抑制するため、世界的に対面型サービスに対する消費が控えられ、その一部が財(モノ)の消費に振り替えられたことなどから、輸送機械(2021年2月の実質輸出は昨年5月比96.1%増)や電気機械(同28.3%増)の輸出が増加したほか、生産活動や設備投資の回復に伴い、一般機械(同20.4%増)も増加傾向で推移した。

表:経済成長率見通し
                           

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