【景気のゆくえ】失業率の低水準はいつまで続くか

山澤成康
(跡見学園女子大学教授)

 新型コロナウイルス感染拡大から1年以上経った。景気は上向きだが低空飛行が続いている。内閣府が発表する「景気動向指数」の一致指数をみると、2020年5月が最も低く、それ以降は上昇傾向だ。2021年2月(速報値)の指数に基づく基調判断は「上方への局面変化」である。確かに方向は上向きだ。
 しかし、水準は低い。日本経済研究センターが集計している「ESPフォーキャスト」の4月調査によると、2020年度の実質国内総生産(GDP)成長率の予測機関平均はマイナス4.3%と大幅に減少する見込みだ。コロナ危機前の水準に戻るのはかなり先になりそうだ。財務省の「法人企業統計」で経常利益をみると、2020年4-6月期を底に利益は増えているもののコロナ危機前の水準には戻っていない。
 一方、雇用情勢は落
                           

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