【景気のゆくえ】原油価格に左右される国内の物価動向

林田元就
(電力中央研究所上席研究員)

 企業間で取引されるモノの価格動向を示す、国内企業物価指数(2021年11月)は前年比+9.0%と9か月連続して前年を上回った。上昇幅はリーマン・ショック前の2008年7月(+7.5%)を上回る急上昇となった。この背景には、新型コロナワクチンの普及に伴う経済活動の回復、それに伴って生じている原油や食料などの国際商品市況の高騰がある。国内企業物価上昇率を品目別に寄与度分解すると、資源価格の影響を受けやすい、石油・石炭製品(+2.6%pt.)、一次金属・金属製品(+2.5%pt.)、化学製品(+1.1%pt.)で大きなプラス寄与を示したほか、飲食料品(+0.4%pt.)や機械類(+0.3%pt.)も小幅ながらプラス寄与を示しており、幅広い製品で上昇圧力がかかっていることが分かる。
 一方、
                           

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