【新連載】違いが分かる大人のための社会学講座
第1回 スポーツの階級性を通して見えてくる浮世の景色
2021年12月15日
藤島寒月
(フランス現代社会学者)
(フランス現代社会学者)
イギリスは名だたる階級社会である―などと言うと、「何を今さら」と仰る向きもあろう。しかし、それが「フェア」を信条とするスポーツの世界でもとなると、やや趣が異なってくるのではないか。イギリスにおけるスポーツの「階級性」を通して見えてくる浮世の景色というものを眺めてみたい。
パブリック・スクール出身者の割合
イギリスでは、パブリック・スクール(私立のエリート校)に通うことが、中流階級(以上)の出身であることの証(あかし)とされる。ビートルズのメンバーのなかでジョン・レノンが唯一中流階級の出身とされるのは、4人のうち彼だけがパブリック・スクールに通っていたからだ。では、イギリスのスポーツプレイヤーのなかに、パブリック・スクールの出身者はどのくらいいるのか。イギこの記事は有料会員限定です。