第28回 ▼ 第2部 非営利組織のガバナンス(その6)

堀田和宏
(近畿大学名誉教授)

 第3章 プライベートセクター・ガバナンス

2 コーポレートガバナンスの改革

⑴ なにがガバナンス問題なのか

 19世紀が企業家の時代であり20世紀は経営者の時代であるとすれば、21世紀の焦点はガバナンスであるといわれる。ガバナンス・システムは、委任者であるプリンシパル(主人・所有者)が事業の経営を受託者であるエージェント(代理人・管理者)に依頼する場合に、両者の関係を規律づけることという意味では、古くから存在する。ガバナンスという表現が新しいだけである。この「プリンシパル―エージェント問題」は長い間認識されていて、今日の現代組織でもエージェンシー理論として中核の課題である。
 すなわち、従来からガバナンス・システムとしては、株式市場や会社法制などによる規
                           

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