『公益・一般法人』最新号目次(5月号)

2019年5月号

論壇

改革の趣旨と第三者機関の役割

出口正之(でぐち・まさゆき 国立民族学博物館教授)
 公益法人制度改革の議論の開始時と公益法人の不祥事が重なったために、法人の健全運営が立法趣旨だと捉える向きがある。そう考えると法人への事細かな監督に前のめりになってしまうことだろう。 ……

NEWS

非営利版ガバナンスコードを検討か、内閣府が新制度10年を総括

 3月27日、内閣府公益認定等委員会は「新公益法人制度10年を迎えての振り返り報告書」を公表した。
 本報告書は昨年12月を以て、公益認定法の施行(平成20年12月)から10年の節目を迎えたことから、内閣府公益認定等委員会が「民による公益の増進」の状況や問題意識、これまでの合議制機関及び行政庁の取組み・成果等について取り纏めたもの。 ……

第1回公益法人会計検定2級、合格率は34%

 5月1日、第1回公益法人会計検定試験2級の合格者が同検定Webサイトで公表された。
 本検定は公益法人や一般法人の会計・経理事務に携わる実務担当者を主たる対象とし、 その技能向上を目的に全国公益法人協会が独自の理念と方針に基づいて昭和46(1971)年から実施しているものである。 ……

特集:超高齢社会に対応した法人運営の方法

超高齢社会に対応した法人運営の方法

 日本の65歳以上の高齢者人口は、昭和25(1950)年には総人口の5%に満たなかったのが、昭和45(1970)年に7%を超え、さらに、平成6(1994)年には14%を超えました。高齢化率はその後も上昇を続け、平成28(2016)年時点では27.3%(総務省「人口統計」)に達しているようです。新元号になった現在においてもこの流れは当面続くようです。 ……

理事の定年制導入に向けた具体的方法と留意点

渋谷幸夫(しぶや・ゆきお 全国公益法人協会特別顧問)
我が国では現在、約4人に1人が65歳以上であり、令和7(2025)年には65歳以上が3人に1人、75歳以上が人口に占める割合は18%となるようである。人手不足の昨今だが、組織のガバナンス上、年齢で一定の線引きを求める声も少なくない。 ……

認知症になった理事への対応と留意点

渋谷幸夫(しぶや・ゆきお 全国公益法人協会特別顧問)
厚生労働省によれば、認知症を患う人の数が令和7(2025)年には700万人を超え、65歳以上の5人に1人が認知症に罹患するとのことである。もし、自法人の理事が認知症と疑われた場合、どのように対応すればよいのだろうか。 ……

職員が認知症になった場合の対処法

小島信一(こじま・しんいち 特定社会保険労務士)
蛇口の閉め忘れ、トイレの水を流すのを忘れた――。職員に認知症の症状が疑われる場合、上司や周囲の同僚はどうしたらよいのだろうか。このまま仕事を任せるといずれ取引先等に迷惑がかかるかもしれないし、本人は認知症であることを認めないかもしれない……。 ……

解説

取引書類における電子印等の活用法
~PDF化でコスト削減!~

堤 世浩(つつみ・せいこう 弁護士)
はじめに
 請求書、見積書、発注書、契約書など、ビジネスシーンでは日頃から取引書類のやりとりが頻繁に行われています。この取引書類のやりとりについて、すべて紙で行うことをルールとしている企業や法人もまだまだあります。たしかに紙の安心感というものは否定できません。 ……

内閣府世論調査に示された公益法人に対する寄附の意向

上松公雄 (うえまつ・きみお 税理士・大原大学院大学准教授・全国公益法人協会首席研究員)
まえがき
 平成30年12月14日に内閣府より「NPO法人に関する世論調査(平成30年10月調査)」に係る報告書(以下、「本報告書」という。)が公表された。この調査は、NPO法人に関する国民の意識を把握し、今後の施策の参考とすることを目的として、①NPO法人に関する認知度と利用、②NPO法人などに対する寄附意識、③「共助・支え合い」の活動に関する意識について調査が行われたものである。 ……

新たに始める非営利法人のデジタルファンドレイジング入門

堤 大介(つつみ・だいすけ ファンドレイジング・コンサルタント)
はじめに
 新年度に続き新元号もスタートしましたが、組織運営についても新たな視点で新たな取組みを模索されている方も多いのではないでしょうか。本稿では「新たに始める非営利法人のデジタルファンドレイジング入門」と題し、インターネットを始めとする様々なデジタル技術を活用したファンドレイジングについて、最初の一歩を踏み出すための基本的な視点をお伝えして参ります。 ……

レポート

ゆるキャラPR手法への大いなるアンチテーゼ!?
公益法人初のグランプリ「カパル」の取組みに迫る

斉藤永幸(非営利組織ジャーナリスト)
ゆるキャラがもたらす社会的効果と問題点
 「ゆるキャラ」、いわゆる「ご当地キャラクター」が当たり前になったのはいつくらいからだろうか。「ゆるキャラ」という名称は、漫画家・エッセイストである、みうらじゅん氏が考案し、商標登録されている。その言葉は一般化し、2008年には新語・流行語大賞にノミネート。今では普通の言葉として幅広い年代に認知されているだろう。 ……

連載

景気のゆくえ
設備投資調整は始まるか

門多 治(エコノミスト)
 4月1日公表の3月調査日銀短観では、大企業・製造業の業況判断DIは、2年ぶりに大幅悪化した。中国の景気悪化や米中貿易摩擦の不確実性が背景にあるものとみられる。ではこの勢いで内需が下振れして、設備投資の大幅調整まで進むのか。今回は設備投資の今後についてみてみる。 ……

会計バカ一代
其之二十 「超過収益力」はメイドカフェで説明できる!!

古市雄一朗(大原大学院大学准教授)
見えない資産「のれん」
 会計用語の1つに「のれん」と言うものがある。企業を買収する場合に買収先の企業の資産価値を超える金額を支払うと計上される項目だ。会計的にその考え方を示すと以下のとおりとなる。 ……

法人運営手続Q&A大全
第11回:理事が理事会に出席できない場合の対応

熊谷則一(弁護士)
【Q】
 理事が理事会に出席できない次のそれぞれの場合について、どのように考えればよいのでしょうか。
① 理事がある団体の長である場合、担当部長等に代理で出席してもらうことはできるでしょうか。
② 職務執行状況の報告を行う予定であった理事会に、代表理事の都合が悪くなり、出席できません。職務執行状況を報告したものとみなすことはできるでしょうか。
③ 3名の理事のうち、1名は海外在住で理事会出席が難しかったのですが、新たに、もう1名の理事も海外に転勤となりました。理事会のときには、帰国してもらう必要がありますか。 ……

社団・財団法人のためのネットを駆使したスマート法人運営
第11回:理事会・社員総会・評議員会における―招集手続・決議・報告―省略手続 part5

茂木高次(行政書士)
(承前)
Ⅱ 社員総会の報告の省略
1  概 要
 一般法人法では、社員総会へ報告すべき事項については、社員総会を開催し、そこで報告することを原則としている。この法59条が報告の省略規定であり、これにより社員総会を開催しないで報告ができる。 ……

宵越しのゼイはもたねえ。
シーン32 結婚相手は抽選で?!

上松公雄(税理士・ニューカルチャー研究室)
少子化の阻止は試行錯誤
 「平成9年度の税制改正に関する答申(平成8年12月税制調査会)」において「少子・高齢化による財政負担の増大にどう取り組んでいくのか」が議論を行う上での問題意識のひとつとして明示され(一1⑵)、それ以前は、平成7年度版の『改正税法のすべて』において「高齢化」の前に「少子」の文字が1か所使われて ……

会計相談室質疑応答事例紹介
減価償却資産の資産計上基準・耐用年数・償却方法

内野恵美(公認会計士・税理士)
【質問】公益財団法人で社会貢献活動を行う団体への助成金の支給を主たる事業としており、収益事業等は実施しておりません。
 長らく事務所内の内装について更新は行っておらず、少額の備品の購入が中心で消耗品と同様に費用処理してきましたが、近いうちに事務所移転に伴い ……

公益法人税務Q&A

上松公雄(税理士)
一般社団法人の解散後の決算及び申告
 当社団(非営利型の一般社団法人です。)は、ここ数年、事業状況が思わしくなく、今後の回復が見込めないこと、また、これ以上の赤字拡大を防ぐために、先般、年度の途中ではありましたが、解散をし、現在、残務整理と清算作業に取り組んでおります。 ……
遺贈により取得した資産の耐用年数
 当財団は、福岡県に西日本支部を構えています。西日本支部の事務所はオフィスビルのうちの一部屋を賃借しており、これは、当財団の理事が貸主となっていました。  ところが、今回、貸主であった理事が亡くなり ……

公益社団・財団法人、一般社団・財団法人(移行法人)の立入検査実務
第5回「認定基準項目の充足状況編:~認定基準項目とは~⑶」

松前江里子(公認会計士)
Ⅰ 前回の振返り
 前回から、立入検査のチェック項目を採り上げて解説を始めた。立入検査のチェックリストは、各都道府県によって対応が分かれ、公表している自治体もあることをお伝えした。そして立入検査のチェック項目には、公益認定基準に沿って大項目として27の項目を掲げ、表にした。これらの項目の中でも「22 変更等に関する状況(変更認定申請・変更届出の懈怠)」について前回、ご紹介し、解説したところである。 ……

戦略人事21プロジェクト 労務管理なんでも相談
組織はなぜ過ちを繰り返すのか

石川征郎(中小企業診断士)
 コンプライアンス体制が整備されているはずの大手企業や官庁で、信頼を失墜する過ちが続きました。なぜこのようなことが起こるのでしょうか。 ……

非営利組織のファンドレイジング戦略
第25回 コーズ・リレーテッド・マーケティング(後編)

堀田和宏(近畿大学名誉教授)
(承前)
Ⅳ コーズ・リレーテッド・マーケティングの落し穴と問題点
1  資源の浪費
 コーズ・リレーテッド・マーケティングの開拓と構築にはかなりの時間と労力を要し、それを維持するにはさらにかなりの諸資源を投じなければならない。このコーズ・リレーテッド・マーケティングのパートナーシップが失敗したとすれば、会社はこの失敗をほかの企業活動のコストに転嫁することができるかもしれないが ……

公益法人制度の変遷と今後の課題[2]
第1部 わが国公益法人制度の概要 (後編)

渋谷幸夫(全国公益法人協会特別顧問)
(承前)
Ⅳ 公益法人制度の抜本的改革
 2002(平成14)年3月29日「公益法人制度の抜本的改革に向けた取組みについて」が閣議決定され、公益法人制度について、抜本的かつ体系的な見直しを行うこととされた。 ……