テレワーク時における労災認定の判断基準
2021年09月12日
川島孝一
(かわしま・こういち 社会保険労務士)
(かわしま・こういち 社会保険労務士)
- CATEGORY
- 労務解説・労災
- 対 象
- 公益法人・一般法人
目 次
- はじめに
- Ⅰ テレワークと労働法
- 1 テレワークの種類
- 2 労働基準法等の適用
- Ⅱ テレワーク時における業務災害の適用
- 1 業務災害とは
- 2 テレワーク中の業務災害の考え方
- Ⅲ テレワーク時における通勤災害の適用
- 1 通勤災害とは
- 2 逸脱と中断
- 3 テレワーク中の通勤災害の考え方
- おわりに
はじめに
新型コロナウイルスの感染拡大防止対策の一環で、在宅勤務等のテレワークが一般的になってきている。そのような状況の中で、在宅勤務中のケガや、サテライトオフィスへの通勤途上でのケガといった問題が発生している。オフィス勤務時とテレワーク時の業務災害や通勤災害(以下、「労災」という。)の適用には多少異なる点もあるため、事例を用いて解説していきたい。労働基準法上、使用者は、労働者が業務上の事故での負傷や疾病などの災害を被ったときは、その補償をしなければならないことになっている。使用者が労働基準法のルールどおりに被災労働者に対して補償をしてくれれば問題ないが、過去には十分な補償がされないことも散見された。そこで、労働基準法の施行と同じ年に労働
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